リスク・マネジメント計画のITTO


インプット ツールと技法 アウトプット
・プロジェクトマネジメント計画書
・プロジェクト憲章
・ステークホルダー登録簿
組織体の環境要因
・組織のプロセス資産
・分析技法
・専門家の判断
・会議
リスク・マネジメント計画書

リスク・マネジメント計画のインプット

計画プロセス群のプロセスの構成が、二つの計画として分けられて、スコープ、タイム、コストの3つの知識エリアと一貫性が図られているのと同様に、インプットもまた、それら知識エリアと統一感のあるものになってます。

と、思ったら、なぜか(*)、このリスク・マネジメント計画には、ステークホルダー登録簿が挙げられていますけどね。

(*)なぜか、:
いや、もちろん。ステークホルダー登録簿はインプットに有って当然のものです。
PMBOK®ガイドには、なんにも書かれていませんが、その役割は、いくらでも述べることができます。
ただ、単に挙げただけだったら、スコープ、タイム、コストのマネジメン計画のインプットにも挙げられていないと、標準書としては不完全でしょ。
ここら辺が、PMBOK®ガイドの統一感の無さです。

リスク・マネジメント計画には、ステークホルダーの合意と支援が不可欠であるというPMBOK®ガイドからのメッセージだと解釈しときましょう。
ちょっと苦しいですが。

リスク・マネジメント計画のツールと技法

列挙されたタイトルだけをみると、スケジュール・マネジメント計画、コスト・マネジメント計画と一緒。

いずれも、PMBOK®ガイド上、汎用的なものばかりですが、分析技法と会議は、リスク・マネジメントにフォーカスして加筆されていますので、それを確認しておきます。

・分析技法

PMBOK®ガイドの記述は、なんか、わざと難しく書きました、っていう書き方。

噛み砕くと、
リスク・マネジメントってのはプロジェクトによっても変わるし、似たプロジェクトでも、ステークホルダーが違えば、違うものになるから、過去の情報をそのまま踏襲するのではなく、しっかりした分析・査定があってこそ、適切なリスク・マネジメントが可能になるってこと。

例えば、

リスク・マネジメントの背景を成しているのは、リスク態度や、戦略的なリスク・エクスポージャー(*)だから、まずはこれを明らかにする。

ステークホルダーのリスク態度やリスク・エクスポージャーは、リスク選好やリスク許容度が反映されたものであるから、これらを等級づけしてみる。

そのために、リスク・プロファイリング分析(*)や戦略的リスク・スコアシート(*)などが使われることもある。

新しい用語が、説明も無く、ポンポン使われてますが、常識とでも思ってるんでしょうか。

PMP試験対策としての重要度も高いとは思えませんので、以下の説明でその意味ぐらいは軽く知っておいてください。

実際に、何げに使うと格好いいかもしれませんよ。

(*)リスク・エクスポージャー:
exposure
【名】
〔自然環境に〕さらされて[露出して]いること。

リスクにさらされている状態、あるいはその度合いのことをいいます。
金融・経済用語として知られていて、その場合、頭に、”リスク” を付けなくてとも、エクスポージャーだけで通じます。

例えば、公開株式は、常に株価下落のリスクにさらされています。
もし資産のすべてを株式で持っていれば、エクスポージャーは100%。
これを、
半分を定期預金にすることで、エクスポージャーは50%に減ります。

(*)リスク・スコアシート:
具体的なリスクごとに、その重要度を点数化したリストです。
”戦略的”と頭につけば、何か特定の効果を狙って作られるとでもいいましょうか。
PMBOK®ガイドにも、どういうものかの説明はありませんので、そういうもんも有るのか、ぐらいの認識で結構。

 (*)リスク・プロファイリング分析:
リスクの発生確率や、大きさなどを明らかにする技法の総称。
これなんかも、実体が無いといえばないですし、あるといえば膨大なものになります。
この後の、定量的リスク分析で紹介されるツールと技法なんかがそれに該当するでしょう。

・会議
リスク・マネジメントに関するハイレベルな計画を決定する会議(=計画会議)。
プロジェクト・マネジャー、主要なプロジェクト・チーム・メンバーとステークホルダー、リスクの計画策定と実行をマネジメントする組織内部の責任者、その他必要な人々が参加します。

分かっているとは思うけど、こういうのは額面とおり受取らないように。

大勢の会議なんてのは、セレモニー的な役割以外、役に立ちませんから。
議論が機能するのは、数人程度までです。

別に、PMBOK®ガイドに反論してるんじゃないんですよ。
一同に会した会議を開くことに意味があるんじゃなくて、色んな人の意見を集約する意図だということです。

で、話し合う項目はそのまま、リスク・マネジメント計画書の項目となります。

・リスク・マネジメントに関するコスト項目
・コンティンジェンシー予備の申請方法
・用語の定義、使用するテンプレート
etc.

リスク・マネジメント計画のアウトプット

いうまでもなく、リスク・マネジメント計画書
中身は、

方法論、役割と責任、予算化、とマネジメント計画書お決まりのものに加え、

・タイミング
リスク・マネジメントの時期です。
フェーズにごとに抱えるリスクは違いますので。
迫っているリスクは急いで対応するし、将来リスクはゆっくり考えるしみたいな。

他にリスク・マネジメント特有のものとして、以下が挙げられていますが、別記事で。

・発生確率・影響度マトリックス、およびリスク区分
・リスクの発生確率と影響度の定義




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