2020年8月、PMP資格のハンドブックが更新されました。

更新履歴もなく、パラパラ眺めるぐらいでは、どこが変わったのか分かりません。

が、これからPMPの受験申請をする方にとってはわりと大きな変更が行われています。

でも安心してください。
受験生が不利益になる変更ではありません。

 

 

これから受験申請する方は、変更点すら把握せずに受験申請すればいいでしょう。

この記事は古い情報に触れている方にとって有益な内容です。

PMP受験申請をする前にあなたの認識をいくつかの点で新しい情報で上書きしてください。

受験資格の一つであるプロジェクトマネジメント経験が緩和されました。

 

変更1.　プロジェクトマネジメント経験の時間数の撤廃

今後のPMP受験生にとって一番影響がある変更がこれ。

これまでのプロジェクトマネジメント経験の受験資格は、

・最終学歴が大卒以上の場合・・
過去8年間に36ヶ月（3年）
かつ
4500時間

・最終学歴が大卒未満の場合・・
過去8年間に60ヶ月（5年）
かつ
7500時間

だったわけですが、
この赤字部分が撤廃されました。

この時間数の意図には、勤務時間の違いなどから期間だけでは実質の従事時間が分からないということがあったわけです。

さらに、ある期間において申請できるプロジェクトは一つだけですので、たとえば同時進行のプロジェクトを掛け持ちしていた人が正確に入力しようとすれば、月数の条件は満たしても、時間数を満たすまで、プロジェクトを追加しなければいけなかったわけです。

時間数の撤廃によってその必要はなくなりました。

期間（月単位）を入力すれば、実際は月200時間従事していようと、月1時間だろうと、ひと月はひと月。
同じ評価となります。

確かにこれまでも、時間数を15分単位で入力させることの意味のなさを嘆く声も多かったのですが、予告もなく、いきなり撤廃とは驚きました。

今回の改正に合せてPMP受験申請フォームも修正されています。

【2020年リニューアル版】PMP受験申請を完全詳説。旅行サイト並みの楽ちんインターフェース

 

変更2.　5つのプロセス群の経験が撤廃

5つのプロセス群とは、以下に示すプロジェクトマネジメント活動の分類です。

1. 立ち上げ
2. 計画
3. 実行
4. 監視とコントロール
5. 終結

これまでのPMP受験申請では、従事した時間をこの5つに分けて入力しなければいけなかったのですが、その必要がなくなりました。

これまでのPMPハンドブックにあった以下の記述が消えています。

“You should have experience in all five process groups across all your project management experience submitted on the application .”
提出されたすべてのプロジェクトマネジメント経験全体で、5つのプロセス群すべての経験が必要です。

 

普段の仕事で5つのプロセス群なんて意識するハズもなく、ましてやPMP受験申請で申告するのはPMBOKすら知らなかった過去の仕事です。

たとえば、実装が主体のエンジニアだとか、火消し屋稼業なんて人は、立上げ時間をどうしよう？なんて悩んだ方も多かったはずです。

これでずいぶん楽になりました。

 

まとめ　PMPハンドブック新旧比較表

PMPハンドブックの受験資格の変更点
	旧	新
プロジェクトマネジメント経験	最終学歴が大卒以上の場合‥ 過去8年間に36ヶ月（3年） かつ4,500時間	最終学歴が大卒以上の場合‥ 過去8年間に36ヶ月（3年）
	最終学歴が大卒未満の場合‥ 過去8年間に60ヶ月（5年） かつ7,500時間	最終学歴が大卒未満の場合‥ 過去8年間に60ヶ月（5年）
プロジェクトマネジメント経験の分類	提出されたすべてのプロジェクトマネジメント経験全体で、5つのプロセス群すべての経験が必要です。	撤廃

 

さて、

今回ご紹介した受験資格の変更が受験申請フォームに反映されているかを確認するためにアクセスしてみたら、雰囲気が大きく変わっていて、とても使いやすくなっていました。

もちろん、受験資格の変更は反映されています。

あらためて、時間数の撤廃は思いのほか入力負荷を下げてくれたようです。

が、

ちょっと目を疑いました。
変わったのは雰囲気だけではなかったからです。

次のエントリでレポートします。

PMP受験申請フォームがリニューアル。利便性UPのどさくさに紛れた重大変更！