イテレイテイブにインクリメンタル。反復型の特性を示す別称も半数が読めない“漸進”型


前回に引き続いて反復型です。
直接このエントリを開いた方は、まず前回の概論を呼んで戻ってきてください。
軽いので3分で読めます。

反復型ライフサイクル。直列型との大きな違いはフェーズのアウトプット

 

反復型ライフサイクル・モデルにはいくつかの呼び名があります。
混乱している受験生も見受けられますが、まとめて押さえるといいでしょう。

都合のいいことに、別称がそのまま反復型ライフサイクルの重要な部分の説明になっていますから、丸覚えすることなく理解に努めてください。

要は全て反復型だということと、
それぞれ反復型のどの特徴を言い表しているのかの2点だけを押さえておけばOKです。

反復型の呼び名は以下の3つ。

  • イテレイティブ  iterative    (反復型)
  • インクリメンタル incremental(漸進型)
  • アダプティブ   adaptive   (適応型)

原語はいずれも”ライフサイクル・モデル”を修飾する形容詞ですが、”型” と和訳されます。

順番にみていきましょう。

 

イテレイティブ(反復型)

反復型の原語がイテレイテイブです。

リピータブル(repeatable)でも、リピーテド(repeated)でもありません。
それだとまったく同じことを反復することになってしまいます。

反復型ライフサイクル・モデルとは、計画と実行からなるフェーズの枠組みを繰り返すことであって、その中身は反復ごとに違うわけです。

PMBOK®ガイド日本語版では「反復型」と和訳されていますが、巷ではイテレイテイブの方も定着していますので、一応押さえておくといいでしょう。

 

インクリメンタル(漸進型)

和訳は漸進(ぜんしん)型。
前に進むことに違いありませんが、”前進”ではありません。

PMBOK®ガイド日本語版では和訳が使われていますが、イテレイティブと同様に、カナの呼び名も定着していますので押さえておきましょう。

漸とは「次第に」とか、「段々と」とかいう意味です。
訓読みだと、漸(ようや)く。
少しづつ増えたり、減ったりすることを、漸増(ぜんぞう)とか、漸減(ぜんげん)といいますが、口語ではほとんど使いませんね。

なぜこれが反復型ライフサイクルの別称かというと、反復型における成果物の出来具合いを説明しているからです。

反復型における一回一回のフェーズの成果物はその時点における完成形でリリース可能です。

次の反復フェーズではその完成形に機能を追加したり、変更を加えたりして、またリリース可能な最終成果物となります。

まさに顧客が手にする成果物が❝次第に❞成長・洗練されていくわけです。

これに対して従来型のウォーターフォール型のライフサイクルでは、フェーズの成果物は最終成果物の一部分でしかなく、それらが統合された最終成果物が顧客の手に渡るのはプロジェクトの最終局面でドカンと一気にです。(*)

(*)ウォーターフォール。比喩で表現したのは直列型ライフサイクルのある特徴

 

反復型ライフサイクルのフェーズに着目した呼び名がイテレイティブ。
反復型ライフサイクルの成果物に着目した呼び名がインクリメンタル。

両者は同じライフサイクルモデルです。

では、次の記事ではアダプティブ(適応型)を解説していきます。




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