組織戦略。プロジェクト・マネジャーが知ることのメリット


プロジェクトは、組織の戦略計画strategic planを達成する手段である。
<PMBOK®ガイド>

戦略論ってのは、勉強するのが楽しい分野だと思います。
実在の企業をケースとして用いたりするのでなおさら。

でも、残念でした。
戦略論そのものは、プロジェクトマネジメントとの関係は薄く、PMP試験でも論点になりません。

PMBOK®ガイドにおける組織戦略の位置付けは、プロジェクト・マネジャーと共有することの重要性。
それと、プロジェクトが常に組織戦略に沿ったものになるようにする責任が、依頼側にも、プロジェクト側にもあるということです。

前のエントリ、
事業価値。プロジェクトが意識すべき組織の存在意義
で事業価値について述べました。
で、現在の事業価値と将来の目標としての事業価値との間にあるギャップ、これをどう埋めるのかが組織戦略。
そして、戦略strategiesを具体化したものがプロジェクトというわけ。

戦略とプロジェクトは1対多。
大抵の戦略は複数のプロジェクトに分割されます。
つまり、プロジェクトの直接の目標の後ろには、それによって達成しようとする戦略目標が必ず存在することになります。

プロジェクトマネージャーは自分のプロジェクトのゴールだけでなく、プロジェクトが所属する戦略計画、戦略目標を理解することが求められます。

それによって、プロジェクトや、プロジェクトの成果物に対するより正しい理解が可能になるからです。

もちろん、プロジェクトに対する要求事項は文書化され明示されます。
とはいっても、1から100まですべてを伝えることはできません。

それよりも、大きな流れの中での位置付けを押さえることによって、プロジェクトにおける様々な局面での意思決定で正しい判断できるようになるわけです。

戦略を理解する重要性のイメージが湧かない人は、仕事の背景を押さえることの大切さに言い換えて理解してもいいでしょう。

上司から資料作りを依頼されたとき、細かな指示よりも、役員会で配布するだとか、お客様に提出するだとか、資料のその後を知るだけで、求められている品質、スケジュール等、多くのことが分かるはずです。

プロジェクト・マネジャーが戦略を知るということは、それと同じことです。

これを依頼する側の視点から言えば、組織戦略をプロジェクトに伝えることのメリットということになります。
これがプロジェクト憲章作成のインプットであるプロジェクト作業範囲記述書のコンテンツに戦略計画書が含まれている意図です。
プロジェクト作業範囲記述書。どこまで書くか?、それが問題だ




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