PMOとはプロジェクトマネジメント・オフィスの頭文字。
組織のプロジェクトを一元的に管理、あるいはサポートする恒常的な部門です。
先のエントリでプログラムマネジメントの効果を説明しました。
「プログラム。プロジェクトが集まっているといいことがある」
しかし、考えてみるとプログラムには以下の特性があります。
- ポートフォリオから細分化した同じ戦略目標の構成要素
- プログラムマネジャーの関心はプログラムの成功
- 臨時的な活動
つまり、プログラムメリットと言っても、文字とおりプログラム内ことであり、プロジェクト間の問題がそのまま、プログラム間の問題にスリ変わっただけとも言えるわけです。
プログラムメリットを母体組織全体に広げ、ノウハウを継承していくには、それを担う恒常的な専門部署を設置する必要があるというわけ。
これがPMO、プロジェクトマネジメント・オフィスです。
今どき、大手の建築会社や、大手のITベンダーなど、プロジェクトが商品の会社はPMOを設置していない所の方が珍しいぐらいなのですが、中小企業ではなかなか設置が進んでいません。
どうしてかと言うと、PMOは売上を生まないから。
いわゆるコストセンター。
もちろん長期的視点に立てば、全社的に利益率の改善につながるからこそ、大手は例外なく設置しているのですが、短期的にはコストアップは間違いないので、中小企業はPMOを設置するだけの余裕がないんですね。
しかあーし!
別にPMBOK®ガイドはPMOの役割を一律に規定していません。ていうか、ここにもテーラリングの思想はしっかりとあって、色んなタイプのPMOがあっていいわけです。
PMP試験対策としても、ここは優劣を論じているのではないということを押さえておいてください。
以下、管理レベルの低い方から順番に
- supportive 支援型PMO
- controlling 管理型PMO
- derective 指揮型PMO
支援型PMO
プロジェクトに対してほとんど権限は持たず、サポート役が主な役割のPMOです。
さらに、専任部署として設置しなくても、選抜メンバーが週一や、月一に集まって話し合う、委員会のような形式も有りです。
これなら、中小企業でも取り組むことが出来ます。
小さなことからコツコツと。
管理型PMO
支援型と指揮型の中間的なタイプです。
指揮型PMO
PMOの配下にプログラムやプログラムがあります。
プロジェクトの重要な意思決定に関与したり、PMOの承認を義務づけたりします。
PMOの任務
PMOの役割を例示します。
いずれもPMOに必ず無ければならないというものではありません。
一番大事なことはPMOを設置するということです。
PMP試験対策的には、空で挙げられる必要はありませんが、意味は言えるように。
そして、プロジェクトマネジメントだけでは実現できない機能だということを確認してください。
- プロジェクトの監視
(管理型、指揮型)
母体組織としてプロジェクトの進捗、健全度をモニタリングします。
プロジェクトが火を吹く前に、母体組織としてテコ入れを行います。 - 記録
(支援型、管理型、指揮型)
プロジェクトの様々な資料を整理、分類、保管し、後続プロジェクトの教訓とします。 - 標準化
(支援型、管理型、指揮型)
プロジェクトを定常業務化していきます。
汎用的は作業はマニュアル化を進めます。
プロジェクトの報告様式、使用するソフトウェアの統一化を図り、プロジェクト間の比較を容易にし、教育負担を和らげます。
プロジェクトで使用する書式をフォーマット化し、プロジェクトの負荷を下げます。 - 教育
(支援型、管理型、指揮型)
プロジェクトの報告会を開催したり、プロジェクト・スタッフ、プロジェクト・マネジャーに対する必要な教育を企画し、実施します。 - 相談
(支援型、管理型、指揮型)
プロジェクトの相談役となります。 - 承認
外部プロジェクトの受注可否、次のフェーズへ進むことの可否、予備の使用可否等を判断、許可します。
(指揮型) - プロジェクト監査
(指揮型)
プロジェクトがルールに基いて行われているか?、プロジェクトから提出された報告の裏付け、プロジェクト・スタッフへの聞き取り等、定期、不定期にプロジェクトに調査に入り、改善勧告を行います。
プロジェクトが非定型な業務であり、プロジェクトマネジャーのスキルやパーソナリティに左右されるものであることは否めません。
しかし、Aさんだと上手くいくけども、Bさんだと失敗するというのでは困るわけです。
特に外部プロジェクトを生業とする企業にとっては致命的。
PMOは、組織としてのマネジメント品質に一定の保証を与えるものなのです。
本気になったら、講座でお会いしましょう!
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