PMI倫理・職務規定が警告する利害の衝突。誤解を生まないための行動様式


利害の衝突は、利益相反とも和訳されます。
組織でも個人でもいいんですが、Aの利益がBの害(不利益)となり、逆にBの利益がAの害になる状況のことです。

そうすると売り手と買い手との関係は常に利害の衝突と見ることもできるのですが、PMI倫理・職務規定が扱う利害の衝突とは倫理上避けなければいけない状況を指します。

例えば、賄賂。
プロジェクト・マネジャーが業者からお金を貰って業者を優遇するような行為です。

貰うのはお金に限らず、物、あるいは食事などのいわゆる接待も含みますし、見返りの優遇処置としては、仕事や物を発注したり、予算額などの機密情報を教えたり、あるいは業者の権限を広げたりと様々です。

見つかった場合、もしプロジェクト・マネジャーが公務員であれば、塀の中に入るわけですが、PMI倫理・職務規定では民間か公務員かは問いません。

ですから、
賄賂がなぜいけないのか?
もし聞かれたら、答えは「法律違反だから」ではなく「利害が衝突するから」となります。

では、あえて聞いてみますが、賄賂において、誰と誰の利害が衝突しているんでしょう?

これ、意外に答えられない人が多いんです。
あるいは、「プロジェクト・マネジャーと業者」だとかの右斜め上。

答えは、プロジェクト・マネジャー・業者コンビとプロジェクト(のオーナー)

プロジェクト・マネジャーと業者は利害の衝突どころか、お互いに見返りを得てWin-Winです。

一方、プロジェクトは、本来選ばれたであろう最適な業者に発注できす、価格や品質等で不利益を被るというわけです。

というと、こんな疑問が生じるかもしれません。
贈賄業者が安くて優れた業者だといいのか?

もちろんダメ。
職務を利用して不当な利益を受けた行為そのものが問題なのです。
プロジェクトが実際に被害を被ったか否かは問いません。

というより、PMI倫理・職務規定が引くボーダーラインはそこではなく、さらに厳しいものになっています。

 

PMI倫理・職務規定が問題にする利害の衝突のボーダー

どういうことかと言うと、当人の責に問えないようなケースにおいても倫理的行動を求めているということです。

例えば、プロジェクト・マネジャーの預かり知らぬところで、自分の親族が経営する会社が入札に参加して来たような場合。

預かり知らぬまま入札が行われ、親族の会社が落札できなければそれで終わる話です。

問題は親族の会社が落札した場合。
この場合、プロジェクト・マネジャーが便宜を図ったのではないか?という、あらぬ疑いを掛けられてしまう可能性があるということです。

濡れ衣に違いありませんが、疑われても不思議でない状況であることは確かです。

もし、そのような状況に至ったらどうするか?
上記のケースでは、親族の会社を入札から締め出すことはいささかやり過ぎです。
だって、もしかすると、親族の会社が最適な会社かもしれないからです。

ではどうするかと言うと、透明性の確保です。
利益相反を疑われる状況をステークホルダーに報告します。
同時に、自身はその案件の発注作業の一切から手を引くことです。

うっかり利益相反の渦中にいるケース

さらにPMI倫理・職務規定は、無意識に利益相反行為が行われる場合があることを警告しています。

それは2つの組織に属していて、それぞれに信義、忠誠義務がある場合に起きるものだと言います。

例えば勤務する会社とPMI会員としてのボランティア活動。

PMI日本支部でもイベントなどにおいてボランティアを募集しますので、参加された方もいるでしょうし、あるいは研究会に属して恒常的に活動している方もいるかもしれません。

その場合、例えば、内部者だけが知り得た、いずれかの組織の情報を、リリース前に、もう一方の組織で優先的に活用するような行為を想定しています。

PMI倫理・職務規定では、こういう状況を避ける努力をしなければらないとされています。

そのためには常に客観的に自分の振る舞いを律すること。
利益相反になっていないか?
そして自分自身はもちろん、他者にも目を配り、気づいたら注意し合うということです。

以上、試験ネタにもなりますので押さえておいてください。


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