PMBOK®ガイドはPMBOKの部分集合。じゃあ試験範囲はどっち?


PMBOK®ガイドはPMP試験のバイブルと言われます。

PMI自身はバイブルとまでは言ってはいませんが、設問ネタ元してPMBOK®ガイドの版を公式にアナウンスしています。

では、PMBOK®ガイドをマスターすればPMP試験で満点が取れるのでしょうか?

答えはノー。

仮にPMBOK®ガイドを試験会場に持ち込んだとしても、満点を取ることはできないでしょう。

というか、見ないで答えられない設問はPMBOK®ガイドを見たって答えられません。

バイブルなのに?

そうなんです。

これには2つの理由があります。

試験範囲はPMBOK®ガイドではなくPMBOK

プロジェクトに有効なスキルや手続きの総称がPMBOKです。

その中で、特に重要な、あるいは、その有効性について、一般に合意されているものをまとめたものがPMBOK®ガイドという一冊の本です。

まとめたと言っても、単にタイトルだけを羅列しただけの論点も多々あります。
実務に適用するためには、それぞれの中身について、例えば会計、例えば統計など、他分野から知識を補完しなければなりません。

これは、PMP試験対策としてもいえることで、ガイドのみで十分な試験対策を行うことはできません。

PMBOK®ガイドが試験対策のバイブルであることは間違いありませんが、試験範囲は、PMBOK®ガイドではなく、PMBOKだということです。

じゃあ、そのPMBOKの範囲は?
文書化されたものはどこにもありません。

PMBOKは「プロジェクトマネジメント知識体系」と和訳されますが、体系とは名ばかりで、実に概念的なものなわけです。

範囲が明文化されていないということはすなわち、何から出題されても文句は言えないということです。

例えば、PMBOK®ガイドに影も形もなかった論点が出題され続けていて、次の版のPMBOK®ガイドにそれが解説されて、後追いで公式に試験範囲となるみたいなことは珍しくありません。

順番としては完全に逆だと思うのですが、し方ありません。

とはいっても、傾向的なものはありますし、第一、合格に満点は必要ありません。

PMBOK®ガイドを中心に準備すれば合格できるようになっています。

むしろ、何かで目にしたからといって、いたずらに学習範囲を広げると試験対策の効率は悪くなります。

講師のPMP受験体験記その一。スコア・レポート大公開!PMBOK®ガイドを軸に王道を貫いた勝利

 

設問はシナリオベース

これも公式にアナウンスされていることですが、PMP試験の設問の多くはシナリオベースです。

大仰に言えば物語。
シチュエーションが設定されていて、適切な振る舞いや、意思決定を選ぶという形式のものです。

これがPMBOK®ガイドを試験会場に持ち込んでも役に立たない2つ目の理由です。

だって、そのシチューエーションはPMBOK®ガイドに載っていないからです。

ただし、1問あたり平均1分10数秒しか与えられていない試験ですから、それほど複雑なシチュエーションはありません。

また、プロジェクトマネジメント以外の専門性を要求されるシチュエーションもありません。

ことさらシナリオベースに特化した試験対策は必要なく、要は実際のプロジェクトでの適用場面を思い浮かべつつ、リアリティを持ってPMBOK®ガイドの理解に努めればいいわけです。




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