要員離任計画。きれいに別れたいから


要員離任計画(Staff Release Plan)は、だれが、いつ、プロジェクトから抜けるかという計画です。

得てして、プロジェクト・マネジャーは、獲得時にだけ、一生懸命になりますが、離任時期も同様に重要な計画だというのがPMBOK®ガイドのメッセージ。

本来、要員離任計画も、プロジェクトのスケジュール計画とリンクして早期に計画できるはずのものです。

要員離任計画の効果を押さえた上で、まずは、計画項目として必要なんだということを、しっかり認識しておきましょう。

 

プロジェクトには有期性があります。
それに合わせてプロジェクト・チームも解散するわけですが、せえの、で一斉に行われるわけではありません。

プロジェクトのフェーズに応じて、必要とされるスキルは違いますから、随時人は入れ替わることになります。

また、総人数としても、プロジェクトのピークを境に、五月雨(さみだれ)式に人数は減っていくわけです。

PMBOK®ガイドを参考に、要員離任計画の効果を4つ挙げます。

  • 人的資源の効率化
  • コスト削減
  • 士気の向上
  • リスク軽減

上から順番にみていきましょう。

 

要員離任計画の効果ー人的資源の効率化

プロジェクトというよりも、母体組織の人的資源の効率化です。

プロジェクトから抜けるということは、別の仕事に就くということです。
母体組織としては、次の所属先を用意しておかなければならないわけです。

しかし、「明日抜けます」と言われても、すぐには用意できないのが会社。

誰が、いつ、プロジェクトから抜けるのか?
この情報は、外からは分かりにくいということです。

つまり、離任計画はプロジェクトというより母体組織のために行うということです。

プロジェクトの離任計画は母体組織との共有情報です。

これによって母体組織は、余裕をもって人的資源の再配置に取り組むことが可能になります。

定常業務や他のプロジェクトとのスムーズな調整ができ、人的資源の効率化に繋がるわけです。

ということは、
要員離任計画の重要性は、プロジェクトの組織形態によって、差がつきそうですね。

マトリックス型組織では、離任後に本来の機能部門に専念するだけです。
要員離任計画が不要ということでは、もちろんありませんが、プロジェクト型組織によるプロジェクト専任スタッフこそ、要員離任計画が必須といえるわけです。

 

要員離任計画の効果ーコスト削減

要員離任計画は、母体組織だけではなく、プロジェクトにもメリットをもたらします。
”プロジェクトの” コスト削減です。

離任計画がない状態で離任する場合を考えてみましょう。

自社の社員に場合、母体組織は急に誰かが離任するといわれても、次のアサイン先を用意できません。

「次が決まるまでの間、しばらく、お前のプロジェクトで面倒みておいてくれよ」

上司は、プロジェクト・マネジャーである貴方に、こう言うでしょう。

離任するスタッフが、プロジェクトに所属し続けることになるわけです。
すなわち、プロジェクトの原価(*)として積み上がることになります。

(*)プロジェクトの原価:
プロジェクトの原価計算では、プロジェクトごとにユニークなコードが振られ、プロジェクトの支出(直接費)は、すべて、このコードが付記されて処理されます。
人件費も例外ではありません。

無駄な原価が積み上がる、すなわち、プロジェクトの利益は減ります。

当然、プロジェクト・マネジャーである、あなたの評価も下がる。

つまり、コスト削減というよりは、無駄なコストアップを防ぐと言った方が正確かもしれません。
”コスト削減”というのは、PMBOK®ガイドの言い回しです。

要員離任計画により、タイムリーにプロジェクト原価から外すことができるというわけです。

 

要員離任計画の効果ー士気の向上

”離任するスタッフ本人の” 士気の向上が図られるということです。

離任時期が本人の目標になるということです。

「よし、来月いっぱいだ、がんばろー!」
てな感じ。

ま、ケースバイケースではあるんですけどね。

長めの任務で、仕事が定常業務化していたり、
顧客との関係が、あまりよろしくなかったり、
あるいは、撤退プロジェクトなんかで、日陰のプロジェクトであったり。

「いつまで、俺、ここに居るんだろ?」
というような場合は、サプライズで離任を告げるよりも、要員離任計画によってラストスパートも期待できます。

ややもすると、優秀なスタッフほど、不必要に手元に置きたがるマネジャーも居ますが、ダメです。
退職されては元も子もありません。

要員離任計画の効果ーリスク軽減

プロジェクトの期間中または終了間近に生じる、人的資源に関するリスクを緩和させます。

人的資源に関するリスクって何?

スタッフをプロジェクトから外すことは、ときに微妙な感情も生じさせるということなんです。

例えば、離任させるスタッフが5人の場合。

たまたま、そのうちの、4人が女性だったとき。

これね、問題になるんですよ。
予告なしにやったりすると。

ほんとに、たまたまで、何の意図が無くてもです。

あるいは、性別ではなく、人種に偏りが有ったときとかもです。

ですから、予め、要員離任計画として周知し、計画に基づいて粛々と行えば何も問題にならないわけです。

ここら辺は、お国柄の違いもあって、私たち日本人は注意しておきたいところですね。
PMP試験対策としても、もちろん実務でも。


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