プロセス改善計画書。難しいのはルール作りより定着


プロセス改善計画書は、品質マネジメント計画のアウトプットです。
名称にマネジメントと入っていないんですが、これもプロジェクトマネジメント計画書の補助の計画書です。

エラーを何%以下にするだとか、誤差を何mm以内だとか、具体的な品質基準を記すものではありません。

文字通り、改善する対象はモノではなく、やり方、プロセスです。

近代的品質マネジメントの特徴にある、
・検査より予防
・継続的改善

ここら辺の考え方を計画に落とし込んだものといえるでしょう。

 

例えば、不良が発見されたとき、ありがちな手順は、以下のようなもの。

1.不良を修正する。

以上終わり。

て、手順かよ!
(笑)

ま、担当者を叱る、ぐらいのステップはあるかもしれませんが。

 

これだと、不良は、モグラ叩きです。

プロセス改善の視点は、

「なぜ不良が起きたのか?」

そして、その原因を、安易に個人に求めません。

A君が起こした失敗は、誰もが起こす可能性がある。
こう考えます。

どうしたら同じ失敗を防ぐことができるのか?
やり方、プロセスを改善するわけです。

次からは注意して作業しましょう?
気をつけましょう?

こんなのは、プロセス改善でも、何でもありませんからね。
何もしないのと一緒。

例えば、
ソケットを差し込む向きを間違えたら?

⇒形を変えて、逆向きには入らないようにしてしまう。

例えば、
長さを測り間違えたら?

⇒同じ長さの棒を用意し、それと比べるだけにして、測ることをやめる。

こんな感じ。

 

あるいは、
「なぜ、もっと早くに発見できなかったのか?」
ここにも改善余地があります。

 

不良は必ず起きる。
しかし、同じ不良は、二度と起こさない。

求められるのは、こういう品質方針です。

 

で、難しいのは、こうした活動を定着させることです。

なぜか?

 

現場が嫌がるからです。

なぜ嫌がるのか?

短期的には、生産性とのトレード・オフだからです。

だからこそ、マネジメントサイドの関わり方がすごく重要になってきます。
ルールを作ったからって、安心してはいけません。

実は、製造業、工場なんかでは、ずーと前から行われている、ごく当たり前の活動なんです。

サービス業や、IT産業では、遅れ気味。
やってるところもありますが、やっていなところは、まったくやっていません。

 

では、PMBOK®ガイドにある、プロセス改善計画書のコンテンツをサラッと見ておきましょう。
若干、分かりづらいですが、要は、現行プロセスを予め定義しておくということ。

コンセプトが理解できたんなら、コンテンツなんてのは、試験対策的にはチラ見でいいんですけどね。

  • プロセス境界: プロセスの目的や、インプット、アウトプット。
  • プロセス・コンフィギュレーション: プロセスの構成。フローチャートなどの図式的描写
  • プロセス尺度: そのプロセス生産性や、品質などのもの差し。及び管理限界(どこまでが許容値か)。
  • プロセス改善の目標: 改善活動のガイド

 




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