プロダクト指向プロセスはPMBOK®ガイドの範囲外


プロジェクトは、プロジェクトマネジメント・プロセスだけで進んでいくわけではありません。

マネジメントにフォーカスした、多くのプロジェクトに適用できる汎用的な手続き、それがプロジェクトマネジメント・プロセスです。

ですから、
専門領域に関することは、PMBOK®ガイドの範疇(はんちゅう)ではありません。

ところが、
現実のプロジェクトは、何某(なにがし)かの専門領域の固まりです。

工場建設、医薬品開発、自動車開発、etc.

なので、どんなプロジェクトでも、
これら専門領域に特有のプロセスが欠かせないのは当たり前です。

この専門領域に関するプロセスのことを、PMBOK®ガイドでは、プロダクト指向プロセス(*)、と呼んでいます。

(*)プロダクト指向プロセス:
PMBOK®ガイドの公式日本語訳では、PMBOK®ガイド第4版まで、成果物指向プロセスと和訳されていました。
PMBOK®ガイド第5版で、プロダクト指向プロセスに変更されました。

 

工場建設には、工場建設のプロダクト指向プロセス。
医薬品開発には、医薬品開発のプロダクト指向プロセス。
自動車開発には、自動車開発のプロダクト指向プロセス。

これ、まさに、皆さんが日夜格闘している仕事そのものです。

冒頭で言ったとおり、PMBOK®ガイドでは扱いません。

でも、例えば、
以下のような、質問がきたりします。
IT屋さんからです。

「基本設計って、PMBOK®ガイドで言う、計画プロセス群でしょうか?、それとも実行プロセス群なんでしょうか?」

 

正解はありません。

というより、ケースバイケースなんです。

基本設計を、スコープ・マネジメントの計画プロセス群にある、「スコープ定義」と解釈することはできます。

この場合は、

「基本設計は計画プロセス群だね。」
となります。

でも、

上級マネジャーが、基本設計チームをマネジメントしているような場合。上級マネジャーにとって、基本設計は実行プロセス群なんです。

ですから、
その質問した人が実際に行っていること、を詳しく聞けば、

「計画プロセス群に近い、あるいは実行プロセス群に近い。」

ぐらいのことは言えるでしょう。

PMBOKを学ぶにおいて、リアル感を持ちながら、実務との関係に思いをはせ、疑問を持ち、議論することは、すごく、大切なことです。

てか、社内プロジェクトにPMBOK®ガイドを公式に取り入れようとすると、避けては通れない議論です。

ですが、
PMP試験の論点にはなりません。

PMP試験対策としては、
プロダクト指向プロセスという言葉は、以下の点を押さえておいてください。

  • プロダクト指向プロセスは、プロジェクトの成果物に特有のプロセスである。
  • プロダクト指向プロセスは、プロジェクトに欠かせない。
  • プロダクト指向プロセスは、プロジェクトマネジメント・プロセスと密接にリンクしている、あるいはリンクさせないといけない。
  • プロダクト指向プロセスは、プロジェクト・マネジャーのスキルである。
  • プロダクト指向プロセスは、PMBOK®ガイドでは扱わない。(もちろんPMP試験にも出ない)



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