調達マネジメントの役割。前提となる二つの異なる立場


調達マネジメントは、PMBOK®ガイドの10個の知識エリアのうちの一つです。

正確には、頭にプロジェクトが付いて、
プロジェクト調達マネジメントといいます。

プロジェクトの成果物すべてを自分たちで賄(まかな)わなければならないなんてことはありません。

買った方が良ければ買えばいいわけです。
(なんで買った方がいいのか? これがこの知識エリアの重要論点の一つなのですが。)

プロジェクトにおいて、成果物の一部、あるいはすべてを買うことを外製

逆に、自分たちの力で用意することを内製といいます。

プロジェクト調達マネジメントは、内製すべきか、外製すべきかの検討に始まり、
購入先の検討から、発注、さらには、完成品を受取り、代金の支払いがその範囲です。

買う側の人や組織のことを購入者といいます。
(たまに発注者ということもありますし、納入者から見た場合、クライアント、顧客とも言います。)

購入者から依頼を受けて納める側の人、組織のことを納入者といいます。
(たまに受注者ということもあります)

ちなみにPMP試験では、それぞれの役割や特性と、それが果たして購入者なのか、それとも納入者のどちらなのかを紐付けさせる設問があります。

そんなの簡単そうに思うでしょう?
いや、どうしてどうして、間違う人多いんですよ。

 

組織はプロジェクトのプロダクト、サービス、所産の購入者あるいは納入者のいずれにもなりうる。
<PMBOK®ガイド>

同一プロジェクトにおいて、両方を演ずることもあるでしょう。
納入者として受けた仕事の一部を、購入者として外部から入手するわけです。

 

ここまでの知識エリアでは、いずれも、プロジェクト・チーム側の立場で論じてきたわけです。
オーナーやイニシエータから依頼をうけて、成果物の完成に責任をもつ側。

すなわち、納入者の立場です。

一方、このプロジェクト調達マネジメントだけは、購入者の立場から論じられています。

建設プロジェクトや、SI(システム・インテグレーション)プロジェクトにおける購入者の場合、この調達マネジメントこそが、プロジェクトマネジメントそのものだったりします。

たとえ、日ごろ、主に納入者として振舞っている方にとっても、購入者側の手続きや行動様式を知っておくことは大切なことです。

 

本章の多くは、契約に基づかない部門間取引にも同様に当てはまる。
<PMBOK®ガイド>

いわゆる内部取引のことですね。
金銭のやりとりはないかもしれませんが、
部門ごとの成果をキッチリ出している多くの企業では、人が働けば、伝票は発生するでしょうし、作業やプロダクトに関しての責任の所在もはっきりさせないといけません。

それは、まさに、この調達マネジメントが必要になってくるということです。




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