PMP試験のスコアレポートが変わる。誰得?

PMP試験を受験すると出力されるスコアレポート。
このフォーマットが2017年7  8月28日から変わります。

現在のスコアレポートは、受かった人は”Pass”、落ちた人は”Fail” と記載の後、5つの領域(立上げ、計画、実行、監視・コントロール、終結)ごとに3段階評価だけ。

3段階というのは、

  • 優  Proficient
  • 良  Moderately
  • 不可 Below

 

受かった人にとって何ら意味のないレポートですが、問題は、落ちた人にとってもあまり役に立たないレポートだということ。

だって、優の数が多い人よりも、少ない人の方が総点が高かったり、
逆に、不可の数が多い人よりも、少ない人の方が総点が低かったり。

こういうことが普通に起きるからです。

果たして自分は、あとどれくらい点数を伸ばせば合格出来るのか?

正解も公表されず、問題も持ち出せないPMP試験では、さっぱり分からないわけです。

 

実は以前はこれよりずっと詳しいスコアレポートだったんです。
5つどころか、さらに細かい領域ごとに正答率が数字で示されていて、自分の得点が分かったわけです。

今のスコアレポートは、その頃のものから明らかにグレードダウンしているのですが、その意図は分かりません。

憶測ですが、PMIは、合格基準を隠しておきたいというか、モヤモヤっとさせておきたいんだと思います。

スコアレポートをグレードダウンさせた時期と同じくして、それまでアナウンスされていた合格正答率61%の基準も試験要項から削除されましたから。

PMP試験の過去問が漏れることを完璧に防ぐことが出来ないとすれば、合格基準まで分かるとなると、試験のレベルが白日の下に晒されます。
そして、ノウハウが出廻り、対策がし易くなって、PMPの権威が落ちる。
こんなスト―リーをPMIは嫌がっているわけです。

さて、今回の変更では、多少そのグレードダウンからの揺り戻しが見られます。

5つの領域ごとに評価される部分は同じですが、まず3段階から4段階評価に変わります。

4段階というのは次の通り。

  • 優  Above
  • 良  Target
  • 不可 Bellow
  • 頑ばりましょう Needs Improvement

上の二つが合格レベルで、下二つは不合格レベルです。

で、さらに最大の揺り戻しは、今のスコアレポートの最大の欠点であった、総合評価が分からない、合格基準との差が分からないというところが、ちょこっとだけ解消されたことです。

それがこれ。

真ん中より左側が4段階の下二つで不合格(Fail)のスコア域。
真ん中より右側が4段階の上二つで合格(Pass)のスコア域。

で、受験生のスコアが”YOU”と書かれた位置です。

相変わらず点数を表示することには頑(かたく)なな態度ですが、合格基準からの距離は分かるようになります。

これは特に、不合格になった受験生にとっては大変有用です。
今のスコアレポートでは、あとどれくらい努力しなければいけないのか?皆目検討がつかなかったのが、イメージし易くなることでしょう。

もっとも、スコアレポートが役に立つことのないよう、一発合格を目指すのは言うまでもありません。



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