リスク・マネジメントは、PMBOK®ガイドの10個の知識エリアのうちの一つです。
正確には、頭にプロジェクトが付いて、
プロジェクト・リスク・マネジメントといいます。
プロジェクトにリスクは付きものです。
例外なく。
なぜ?
それは、プロジェクトには独自性があるから。
これがPMBOK的な答え。
あれやこれや言葉を並べずに、ズバリ答えてくださいね。
そんな大事なリスクにも関わらず、
「リスク・マネジメントって一体何すんの?」
こんな感じのエンジニアはすごく多いです。
IT業界だけなのかな?
要は、タイム・マネジメントや、コスト・マネジメント、品質マネジメントのように形式化されていないんです。
形式化できてなければ、教育もできませんしね。
実際、上司なんかから、
「おーい、○○どうなってんだ?」
○○の部分に、仕様(スコープ)、スケジュール、コスト、品質が入ることはあっても、リスクが入ることはありません。
とはいっても、PMBOKの普及とあいまって、急速に広がってはきているんですけどね。
リスク・マネジメントの目標は、プロジェクトに対して、プラスとなる事象の発生確率と影響度を増加させ、マイナスとなる事象の発生確率と影響度を減少させることである。
<PMBOK®ガイド>
プラスの事象とは、利益をもたらす状況です。
通常、私たちがリスクと言った場合、マイナスの意味で使われることがほとんどだと思います。
「それ、リスクが大きすぎる」
なんて言えば、なにか良からぬことを心配しているわけです。
しかし、PMBOK®ガイドでリスクといった場合、それは、
プロジェクト目標に影響を与える不確実な事象
です。
不確実。
つまり、実際に起きるかどうか、確実には分からない事象です。
そこに良いも悪いもありません。
リスクは危機と和訳されますが、
実にうまい当てはめだと思います。
危険と機会
危険は脅威と言い換えられます。
脅威はプロジェクト目標にマイナスの影響を与える、起きて欲しくないことです。
機会はプロジェクト目標にプラスの影響を与える、起きて欲しいことです。
不確実性のある、つまり、いつ起きるか、起きないか分からない脅威がネガティブ・リスク。
マイナスのリスクと和訳されます。
不確実性のある機会がポジティブ・リスク。
プラスのリスクと和訳されます。
この両方の意味をもつリスク、これがPMBOK®ガイドにおけるリスク・マネジメントの範囲です。
とはいっても、プロジェクトマネジメントにおいて、より重要なのはマイナスのリスクに対するマネジメントです。
明記はされていないものの、PMBOK®ガイドもそういうトーンになっています。
本気になったら、講座でお会いしましょう!