T&M契約。定額契約と実費償還契約の両方の特性を持つ中間型


T&M契約のTは時間、TimeのT。
Mは資材、MaterialのMです。
読みは、そのまま、ティー・アンド・エム契約と言ったり、フルで、タイム・アンド・マテリアル契約と言ったりします。

定額契約と実費償還契約のそれぞれの部分的な特性を持っていて、そのために、双方の複合型と位置づけられます。

T&M契約の実費償還契約的な特性

T&M契約とは、
・プロジェクトに必要な仕事をする人、あるいは、
・成果物に必要な資材
を決める契約です。

当たり前ですが、
人を調達するためには、どういった仕事であるかを明確にしないといけません。

同様に、
資材を調達するためには、どういう目的で使用し、どういう特性を持っていなければならいかを明確しないといけません。

それはそうなんですが、T&M契約を実費償還契約寄りで用いる場合は、もうこれだけで、契約を締結し、人や資材供給に移ります。

つまり、最終成果物の詳細な完成イメージは必要ありません。

というよりも、それが可能であれば、あえてT&M契約を使う必要はなく、定額契約を結べばいいわけです。

詳細な完成イメージ がないということは、同時に、人や資材の量的なものが確約されないということになります。

確約されていなくても、消費された分は、購入者が支払わないといけません。

つまり、掛かった費用は購入者が全額支払うけれども、支払い額は実績に応じて変わる。

すなわち実費償還契約と同じ特性だということです。

T&M契約の定額契約的な特性

T&M契約における支払額(=納入者の受取額)は、どうやって求めるかというと。

基本は、

支払額 = 単価 × 量

単価、量はともに実績です。

実際にプロジェクトに投入した人や資材の調達価格に応じて単価が決まり、時間や、重さ、体積が、量の単位になります。

T&M契約で単価を決める

T&M契約では、この単価を契約時に確約することがあります。

余談ですが、
「ことがある」というのは、あくまでPMBOK®ガイドの言い回しです。

実際のプロジェクトでは、契約時に単価を決めるやり方がスタンダードで、そうしないと、T&M契約も機能しないんですが、これは、あくまで個人的な感想としておきます。

さて、

この契約時に単価を決めるということが、定額契約の特性を帯びてくることになるわけです。

労働にしろ、資材にしろ、市場においては、その取引価格は常に変化します。

いわゆる相場(そうば)といったものがあるわけです。

一概には言えませんが、概ね景気が良くなれば、取引価格は上がりますし、悪くなれば下がります。

契約で単価を決めてしまうということは、この変動リスクによるプロジェクト・コストの変動を抑えることになります。

言い換えれば、プロジェクト・コストの変動リスクが抑えられるわけです。

が、同時に、納入者と購入者は、双方でちょうど逆のリスクを、抱えることにもなるんです。

どういうことかというと、

市場価格が上がれば、固定された契約単価は相対的に割安になるわけですから、納入者は損をし、購入者は得をします。

市場価格が下がれば、この逆です。

T&M契約で上限価格を決める

実績ベースで支払うといっても、購入者はコストを青天井にはできません。
予算超過を防ぐために、T&M契約に、期間を決めたり、価格に上限を設定することがあります。

T&M契約に期間が決められていれば、現場はその期間内に仕事が完了するようにスコープをマネジメントしなくてはいけません。

価格の上限が決められていれば、上限に達するまでは、実績に応じて支払い額も増えていくわけですが、上限に達したところで、もしスコープが完了していなければ、

  1. スコープの縮小
  2. スコープ完成のための超過コストを購入者が負担
  3. スコープ完成のための超過コストを納入者が負担

のいずれかの対応が求められるわけです。

1と2は、購入者が負担することですから、その事態になってからの対応で、問題ありませんが、3は契約の段階で決めておかないと機能しません。

そして、納入者が3の取り決めに合意するためには、購入者もスコープを明示しないといけません。

こうなってくると、かなり、定額契約寄りのT&M契約と言えます。


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