定額契約。要は普通の買い物と同じ行為


定額契約は、契約タイプの2つの大分類のうちの一つです。

実際のプロジェクトでは、「一括請負契約」という言い方の方が馴染みがあるかもしれせん。

定額契約 Fixed Price Contract

定額、つまり支払い額を決めた上で交わす契約です。
一旦契約すると、途中の掛かったコストに関わらず、完了によってその決められた金額が購入者から、納入者に支払われます。

何のことはありません。
言うなれば、私たちの日常の買い物と同じ商行為です。
値札が付けられている商品を受け取って、そこに書かれた金額を支払う。

ただし、
プロジェクトの定額契約と日常の買い物とでは、大きな違いがあります。

金額を決めるときにモノが無い。

コレ。

通常の買い物では、買い手は完成品を、見て、触って、試して、これなら、この金額を払ってもいいと納得して買うわけですが、プロジェクトでは不可能です。

当たり前ですよね。
これから作るわけですから。

なので、定額契約では、これから依頼しようとする購入者と請けようとする納入者が、モノや作業の完成イメージ、すなわちプロジェクトのスコープを文書等で取り交わすことになります。

「定額契約では」と言いましたが、別に、契約タイプに関わらず、まとまった仕事を依頼するときには、依頼内容を文書で取り交わすのが普通ですよね。

ですから、スコープを文書化するだけでは、定額契約の特性とは言えません。
定額契約におけるスコープに求められる特性は、その正確さです。

その理由について、ちょっと逆説的に説明します。

定額契約でスコープが不明瞭だとどうなるか?

スコープが不明瞭なままで定額契約を締結し、プロジェクトを立ち上げたらどうなるか?
これを考えてみましょう。

まず購入者は、その不明瞭なスコープを明確にしていく中で、スコープを広げようとします。

支払う金額の中で最大の便益を得ようとするわけです。

一方、納入者は、逆にスコープを狭めようとします。
だって、貰える額が決まっているわけですから、スコープを狭めることによって、コストを抑えられ、利益が増えるからです。

どうです?

スコープに関して、購入者と納入者の利害が真っ向から対立するのが分りますね。

これでプロジェクトがうまくいくわけがありません。

スコープが不明瞭なまま定額契約を結んではいけない。
定額契約ではスコープを明確に定義しなければならない。

これが定額契約を採用する際の最大の要件です。

 

プロジェクトの特性と矛盾する定額契約

スコープを明確にするといっても、契約を締結するのは、プロジェクトの立上げ時、あるいは初期フェーズであることが多いわけです。

段階的詳細化は、プロジェクトマネジメントの特性でしたね。

プロジェクトの初期にスコープを明確にするなんてことが出来るのか?
と、そもそも論になるわけです。

実際は、スコープに100%の厳格性など、そんな出来もしないことは求めずに、スコープの揺れが契約額全体から見て、誤差と言えるぐらいまで煮詰めるわけです。

定額契約はこの作業に工数を要する、てか、掛けなければならないわけですが、じゃあ、それが終わるまで、プロジェクトを始められないのか?ということにもなりそうですね。

そんなことはありません。
スコープな不明確な状態でも機能する契約タイプがあります。

それが、契約タイプのもう一つの分類、実費償還契約です。


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