調達文書。曖昧さはバツだけど、柔軟さはマル

調達文書とは、納入候補者に送達する依頼文書です。
調達文書は、調達マネジメント計画のアウトプットで、調達実行と調達終結のインプット。

あと、リスク特定やステークホルダー特定のインプットにもなっています。

が、ステークホルダー特定のインプットの場合は購入者である自分たちが作った調達文書というよりも、納入者として顧客から受取ったものと解釈した方がしっくりきます。

だって、顧客は最重要のステークホルダーでしょ。

当然、調達作業範囲記述書なんかも、その構成要素です。
てか、それがメイン。

それに加えて、契約の雛形であるとか、納入者決定までスケジュールであるとか、発注先選定基準なんかも必要に応じて含まれます。
一律に、こうでなくてはいけない内容があるわけではありません。

依頼文書といっても、相手のからのYesの返事で決まってしまうわけではありません。

PMBOK®ガイドの調達マネジメントは、複数の納入候補から選択することが前提に書かれています。

つまり、この調達文書も複数の納入候補者に提示されて、その返事を待つことになります。

それを踏まえて、用語や考え方を押さえていきましょう。

まず、調達作業範囲記述書にもあったとおり、曖昧さを排除して明快なものにしなければなりません。

が、

柔軟性を持たせるのは、○です。

理由は、納入者の方が、その道のプロで、ノウハウを持っている場合、ガッチガチの依頼をすると、持っているノウハウが生かせないからです。

目的は明確に提示しながらも、方法については、納入者からのより良い提案を期待したいところです。

逆に言えば、プロがプロに依頼する場合は、ガッチガチの調達文書を作ればいいわけです。

さて、この調達文書によって何を得ようとしているのかによって、いくつかの呼び名があります。

実際の調達では、むしろこれらの呼び名の方が一般的だったりしますが、PMBOK®ガイドに紹介されているものを挙げておきます。
試験対策としてもそれぞれの意味を押さえておいてください。

と、その前に、使われる言葉の定義をしておきましょう。

 

納入者を選定する場合、入札、応札、見積りなどの用語を使用します。

入札(にゅうさつ):bid。価格が書かれた札(ふだ)を入れていたことから、「いりふだ」とも言う。

応札(おうさつ):tender, 請負価格提示。入札に参加すること。

技術的な能力や技術的な取組みのような価格以外の事項を考慮する場合には、プロポーザルという用語を使用します。
いわゆる提案ですが、和訳せずそのままプロポーザルと言う場合が多いです。

では、調達文書の呼び名のバリエーションです。

3文字略語の覚え方はいつでも、まずフルスペルを押さえることです。

RFP (request for proposal):提案依頼書
RFI (request for information):情報提供依頼書
IFB (invitation for bid):入札招請書
RFQ (requests for quotation):見積依頼書



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