プロジェクト作業範囲記述書。どこまで書くか?、それが問題だ


プロジェクト作業範囲記述書は、プロジェクト憲章作成のインプットです。
それも、メインのインプットと言ってもいいでしょう。

オーナーやスポンサー、イニシエーターと呼ばれるプロジェクトの外部者である、依頼側から提示される依頼内容です。

作業範囲記述書というのは、PMBOKの汎用的な用語で、
「やるべき作業の範囲を記述したもの」
です。

原語は、Statement Of Work。
この頭文字をとって、”SOW” とも言います。

ですから、
プロジェクト作業範囲記述書は、プロジェクトSOWです。

ちなみに、
プロジェクトが進むにつれて、様々なレベルのSOWが存在することになります。

1日のSOWもあれば、一ヶ月のSOWもある。
一人のSOWもあれば、チームのSOWもある。

中でも、このプロジェクトSOWは、プロジェクトにおける最上位のSOWと言っていいでしょう。

“作業”、”記述書” という和訳から、作業の手順書のようなイメージを持つかもしれませんが、ちょっと違います。

下位のSOWはそうかも知れませんが、このプロジェクトSOWの内容は、もっと高いレベルのもの、大まかなものと解釈すべきでしょう。

プロジェクトSOWに含まれる項目ですが、PMBOK®ガイドには以下の3つが例示されています。

・ビジネス・ニーズ
・プロダクト・スコープ記述書
・戦略計画書

ビジネス・ニーズとは、
プロジェクトによって満たされるビジネス上のニーズです。
依頼側が解決しようとしている課題です。

同じプロジェクト憲章作成のインプットに並んでいるビジネス・ケースが反映されたものです。

 

プロダクト・スコープ記述書とは、
ビジネス・ニーズを満たすプロジェクトの成果物の特性です。
これが、メインのコンテンツと言ってもいいでしょう。

必ずしも詳細に書かれているわけではありません。

特に、素人(しろうと)がプロに依頼するケースでは、プロダクト・スコープの詳細化も含めて、プロジェクト側に期待することになります。

美容師さんに、客が依頼するときの
「軽くして欲しいんですけどぉー」
てな感じです。

逆に、プロがプロに依頼する場合は、詳細化された内容になっているでしょう。

 

戦略計画書とは、
ビジネス・ニーズが満たされた、その先にある依頼側の組織戦略です。
プロジェクトと組織戦略との関係はPMBOK®ガイドの序論で述べられていたことですが、プロジェクトは戦略達成のためのツールなわけです。

ただ、プロジェクト・チームと依頼側が、異なる母体組織だったりすれば、戦略は、Mustのコンテンツとは言えないかも知れませんね。

戦略はときに機密事項だからです。

でも、戦略を伝えることにメリットがあるからこそ、PMBOK®ガイドに謳ってあるわけです。

それは、プロジェクト・チームが戦略を知ることによって、プロジェクトの目的を、より正しく理解することができるということです。
そして、それは成果物の正しさにも反映されていきます。

ほら、仕事を振るときだって、背景を伝えれば、細かくいう必要はないってことあるでしょ。

「片付けてといてくれ」

と、

「明日、社長が見にくるから、片付けといてくれ」

とでは、結果が違ってくるわけです。
組織戦略。プロジェクト・マネジャーが知ることのメリット




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